VR / AR
『劇場版ソードアート・オンライン —オーディナル・スケール—』では、かつて2年以上の時間をVR(仮想現実)のゲーム世界に閉じ込められたまま過ごしたキリトが、AR(拡張現実)デバイス《オーグマー》の開発者である重村教授に、
「VRでは仮想世界が現実世界になるけれど、
ARでは現実世界が仮想世界に侵食されてしまう」
と迫る場面がある。
以下、そこから思いついたランダムなメモランダム。結論は無い。
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SOAの作品世界に限らず一般的な認識として、ヒトの感覚への影響が、VRとARの間でどのように違うかを考えてみる。
- VRでは現実の視界がデバイスによって遮断され、つくられた映像によって視覚情報が完全にリプレースされる(=目を閉じていても「見える」)。
- ARでは現実の視界に、デバイスが付加的な視覚情報をオーバーレイする(=目を閉じている間や、まばたきをする瞬間には「見えない」)。
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SOAの作品世界では、VRデバイスによるフルダイブに比べると、ARデバイスには覚醒状態で使用できる安全性と利便性があるとされ、普及が加速した。
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- 仮想空間でいくら動き回っても現実世界の体は一切動かない
- 一定以上の痛覚もペインアブソーバ機能によって遮断される
- 全ての人間がシステムに適合できるわけではなく、そういった障害は「フルダイブ不適合(ノン・コンフォーミング)」、通称「FNC」と呼ばれる
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劇場版SOAにおいて、現実空間と仮想空間を行き来する身体はディゾルブイン/アウトするが、幽霊と称される人工知能(AI)のユナはいつのまにかそこにいて、フェードアウトして消える。それは、物質性の有無の違いを表現するためのエフェクトなのか、それともそこに深い意味はないのか?
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現実空間と仮想空間、現実と夢の違いを、物質性や意識という概念を使わずに語りうるか?
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英語で序数のことを "ordinal number" という。"ordinal scale" は統計学用語で「順序尺度」と訳される。
ランクがすべてとなる世界。